特許の攻撃と防御、そして交渉

特許の攻撃防御、そして交渉

自社で持てば武器になるが他社から攻撃されることもある。白黒つけるより、どこかで折り合う。手札を見極めて、交渉に臨む。

2015-01-01から1年間の記事一覧

標準必須特許の権利行使を巡る法的問題|鈴木將文 (名古屋大)

経済産業研究所の2015年ディスカッションペーパーとして、鈴木將文先生(名古屋大学)の論文が発表されています。個人的に関心の高いテーマであるため、アウトライナーにコピーして真剣に読みました。ご紹介するとともに、思ったことを書き付けておこうと思…

最近の米国PAE系訴訟の傾向(2) 高い賠償及び差止リスク

BLJ 連載の第3回(2015年1月号)は、「高い賠償および差止めリスク」でした。 BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: レクシスネクシス発売日: 2014/12/20メディア: 雑誌この商品を含むブログ (3件) を見る …

相手の立場で考える

思考の癖 訴訟の提起や警告状の送付などで権利行使を受けた場合、つい、自社のポジションを固めようと躍起になってしまいます。自社製品が権利範囲に含まれるかどうか(属否)を考えるときにも、自然に違いを探しますし、特許請求の範囲の文言も狭く解釈して…

最近の米国PAE系訴訟の傾向(1) 陪審裁判と裁判地選択の影響

BLJ 連載の第2回(2015年1月号)は、「陪審裁判と陪審および裁判地選択が結果に与える影響」でした。 BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 01月号 [雑誌]出版社/メーカー: レクシスネクシス発売日: 2014/11/21メディア: 雑誌この商品を含…

最近の米国PAE系訴訟の傾向

2012年以降、PAE訴訟の傾向には変化が感じられる。変化の主な原因は、2011年の米国特許法改正と、最高裁による特許判決の増加に違いないが、これらがどのように影響した結果、変化がもたらされているのかについて、全体を整理した論考を読む機会はあまりなか…

電話会議での交渉

面談交渉のバリエーションとして、電話会議で交渉を行うことがあります。遠方の相手方、特に海外の相手方からは、メールのやり取りに加えて電話会議で説明します、と申し出られることが多いように思います。TV会議もオプションになりますが、これは設備面で…

交渉のテーブル

「交渉のテーブルにつく」とは、相対する両者の間で交渉が始まることを意味しますが、今回は、比喩的な意味ではなくて、文字通り、相対交渉の場での物理的なテーブル(机)などの配置の話です。 応接室より会議室 特許関係の交渉では、手元に用意する資料が多…

強弱感をスコアリングする

特許侵害訴訟・警告を受けた場合、初動段階でだいたいの類型化を行い、どんな「スジ」のケースなのかの見通しを立てます。 スジをつかむ - 特許の攻撃防御、そして交渉mainstage.senri4000.com すると、これはどのくらいの勝率なのか?と聞かれることがあり…

技術思想としての発明を捉える

発明の文脈 特許は、明細書・図面と特許請求の範囲(クレーム)から成っています。明細書とクレームは、言葉で表現されています。 特許の対象は発明です。発明は、特許法に定義されている通り、技術思想です(特許法2条)。 この法律で「発明」とは、自然法…

スジをつかむ

事件のスジを類型とパラメータで考える 特許侵害事件(Patent Infringement Case)は、傾向として、3つに類型化できます。(1)言いがかりに近いもの(Nuisance)、(2)それなりにまともなもの(Credible)、(3)ガチでヤバいもの(Sophisticated)。 もちろん、境界…

供給元にどうやって要求するか|Indemnificationの実際

前回のエントリでは、供給品に起因して特許侵害を主張された場合に、供給元に対して、何を根拠にしてどこまで要求できるのかについて、できるだけ全体像が見えるように説明しました。 今回は、実際に特許侵害を主張されたときに、どのように供給元に対して補…