特許の攻撃と防御、そして交渉

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特許の攻撃防御、そして交渉

自社で持てば武器になるが他社から攻撃されることもある。白黒つけるより、どこかで折り合う。手札を見極めて、交渉に臨む。

最近の米国PAE系訴訟の傾向(2) 高い賠償及び差止リスク

BLJ 連載の第3回(2015年1月号)は、「高い賠償および差止めリスク」でした。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 02月号 [雑誌]

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 02月号 [雑誌]

米国特許侵害訴訟での損害賠償

ミノルタ・ハネウェル訴訟で高額の損害賠償が認められて(1992)以降、米国特許訴訟での損害賠償についてのイメージは、以下のようなものでした。

  • 算定手法の特性や陪審の評定により、賠償額が高額になりやすい

  • 故意侵害の場合には、実損害を超える懲罰的賠償が認められる(三倍賠償)

  • 故意でないことを立証するためには、弁護士の鑑定書が必要で、鑑定書の取得自体に高額の費用がかかるため、すべての特許について事前に鑑定書を取得しておくことが難しい

三倍賠償を含む損害賠償については、米国特許法284条に規定があります。

§284. Damages

Upon finding for the claimant the court shall award the claimant damages adequate to compensate for the infringement, but in no event less than a reasonable royalty for the use made of the invention by the infringer, together with interest and costs as fixed by the court.

When the damages are not found by a jury, the court shall assess them. In either event the court may increase the damages up to three times the amount found or assessed. Increased damages under this paragraph shall not apply to provisional rights under section 154 (d).

The court may receive expert testimony as an aid to the determination of damages or of what royalty would be reasonable under the circumstances.

PAEの起こす訴訟では、故意侵害(wilful infringement)が主張されることが大半です。仮に認められれば三倍額まで引き上げられる可能性があり、その上故意でない立証の負荷が高いとなると、陪審審理まで行かずに和解で終結させる方向にドライブがかかる効果があると言えます。

なお、284条には、裁判所が賠償額を引き上げることができる、とは規定されていますが、それがどのような場合なのかについては定められていません。故意侵害の場合がそれに該当する、というのは、CAFCが定立したルールによっています。現在、それが妥当かどうかについて、2つのケースが最高裁に係属しており(Halo Electronics, Inc. v. Pulse Electronics, Inc., S.Ct. No. 14-1513 and Stryker Corp. v. Zimmer, Inc., No. 14-1520)、最高裁の判断により基準が変わるのではないか、と予想されていますので注意が必要です。

算定手法の変化

損害賠償額は、上記の特許法284条で「実施料相当額を下回らない、侵害の補償に十分な額」 (adequate to compensate for the infringement, but in no event less than a reasonable royalty)とされています。これを具体的にどのように算定してくのかは、これまでの判例で決められて来ていますが、一般に、被疑侵害者の実施の開始前に、ライセンス交渉を行ったと仮定して、実施料を仮想的に計算する手法が取られます(この手法を示した判例の名称を取って、Georia-Pacific アプローチと呼ばれます)。この手法自体が示された判決(Georiga-Pacific Corp. v. United States Plywood Corp., 318 F. Supp. 1116 (S.D.N.Y. 1970))は1970年と古いものですが、手法自体は合理的なもので、現在でもケースに特有の事情を加味しつつ多くの裁判で使われています。

ここで考慮される要素としては、対象特許に関する既存のライセンスにおける実施料率、対象特許と類似する特許の実施料率、対象特許技術を用いて生産された製品の利益率、、、、など(判決では、15の要素が取り上げられています。こちらに詳細が掲載されています。)があります。

これらの中で、製品利益に占める対象特許の貢献度があります。1つの製品が1つの特許でカバーされるのでない、数多くの特許が関係する技術分野においては、大変重要な問題です。これを決定するためには、本来は対象製品に用いられている他の特許についても考慮しなくてはなりませんし、もちろん、特許以外の要素も多くあります。それを短い審理期間の中で全て取り扱うのは困難であるため、手法が開発されてきました。こうした手法に、25%ルールとEntire Market Value Rule (EMVルール)があります。

25%ルール

これは、その特許の貢献度をいったん25%と推定し、そこからスタートするというものです。推定ですから覆すことは可能ですが、起算点が決められてしまうと、どうしてもそこに引きずられるため、大きく減らすのは難しくなります。何千・何万と特許が使われている製品において1件・数件の特許の貢献度が25%というのは現実的ではありませんが、とりあえずスタートするとどうしても高止まりしてしまうというわけです。

この25%ルールが、2011年のCAFC判決(Uniloc USA Inc. v. Microsoft Corp)で廃止されたようです。面倒がらずにちゃんと寄与度を考えて賠償額を算定しなさいということになったようですね。

EMVルール

また、損害額の算定においては、算定ベースをどこにおくかという問題があります。製品全体なのか、特許の及ぶ範囲(例えば一部の部品)だけなのか。これは、エンジンの特許で自動車全体を算定のベースにすることの是非です。これには特許の権利範囲がどのように構成されているかという観点と、市場に流通している単位の観点があります。

特許侵害をしている部品を搭載した製品は全体が侵害品になりますが、その特許の権利範囲の文言上、部品(=エンジン)が対象物なのか、特許上も製品全体が(=自動車)対象なのかの差があります。特許の権利行使という観点からすれば、製品全体に及ぶ方が望ましいため、可能な限り製品全体をカバーするように文言を書くのが通常です。対象が部品であれば部品メーカーに権利行使することになりますが、対象が製品全体であれば最終製品メーカーに権利行使ができます。市場には製品の方が顔が見えていますので、権利行使はし易いのです。

クレームの文言を製品全体に及ぶように作る場合でも、発明の特徴部分が一つの部品の中で完結しているのであれば、実質上は部品の発明であるとみなせます。おそらくは、部品を対象とするクレームも存在しているでしょう。一方で、特徴部分が2以上の部品に分かれていたり、特徴部分は1つの部品に集中しているけれども、ごく一部が他の部品と協働するという場合もあります。

このように部品にしか特許が及ばない場合にも製品全体の価格を算定ベースにするというルールが長らく適用されてきました。市場で取引されているのは製品全体であり、特許がその製品の販売に寄与しているのであれば製品全体を算定ベースにしても構わないだろうという価値判断であったと思います。プロパテントの時代背景もあったと思います。ただ、これって程度問題で、どんな特許であっても製品の機能に貢献していて市場で訴求できているという主張は可能で、全体として算定ベースを引き上げる効果が高く、損害額を高騰化させる原因の一つであったと思います。

製品のごく一部に関係した特許であっても、その特許の寄与度がそれに見合って低く算定されれば特に問題はなさそうですが、実際は料率の設定が低くなされるかというとそうではなかったようで、結局高い方にばかり振れるという効果がありました。

2012年のCAFC判決(LaserDynamics v. Quanta Computer)において、算定ベースは原則として販売可能な特許実施の最小単位とするとされました。これによって、 Entire Market Value Ruleの適用は、特許発明が製品全体の需要を牽引する場合に限定されました。

最近増えている標準必須特許をめぐる侵害訴訟の一つであるInnovatioケースでは、この最小販売可能な最小単位が用いられて料率が計算されています。無線通信チップがこの単位とされ、チップ1枚につき0.1ドルとされています。

また、標準規格との関係で言えば、昨年、IEEEがIPRポリシーを改定しており、この中で、最小販売単位を用いることを宣言して話題になりました。IEEE-SA Standards Board Bylaws 6. Patents 内の「Reasonable Rate」の定義の中で、考慮すべき要素として、以下のように規定されています。

The value that the Essential Patent Claim contributes to the smallest saleable Compliant Implementation that practices that claim, in light of the value contributed by all Essential Patent Claims for the same IEEE Standard practiced in that Compliant Implementation.

故意侵害基準

従前、米国特許の侵害可能性に気がついた場合には、非侵害を確認する義務があるとされ、このためには弁護士による鑑定書が必須とされていました。

企業の通常の開発プロセスにおいて、企画段階・開発段階・設計段階、遅くとも製品の出荷前には他社の特許を侵害していないかを調査します。ここで「抵触可能性あり」とされる他社特許が全くないということは稀です。いったん可能性ありとして上げた上で、詳細に企画中の製品の構成と特許の権利範囲を比較し、非侵害とするのが難しければ回避策を講じたり、ライセンスを取得したり、無効資料を探したりという行動に繋げていきます。

この段階で、非侵害と社内判断しただけでは不足で、社外の、米国の特許弁護士の鑑定を取得すべし、というのが長い間の実務だったわけです。弁護士の鑑定書を正式に取るには相当のコストがかかります。これでは他社特許調査を行うインセンティブが阻害されるという話も出ていました。調査したばかりに関係があるかもしれない特許が見つかってしまい、故意と言われないために鑑定書を取る必要が出てきてしまう。いったいどの程度近ければそうしなければいけないのか?それを社内判断していたら故意だと言われないのか?安全サイドに振ると、膨大に手間も費用もかかる。ならばいっそ調査しなければ知りようがないのでは?ということです。

これについても、基準が上がりました。2007年のCAFC判決(In re Seagate Technology, LLC, 497 F.3d 1360 (Fed. Cir. 2007))において、客観的無謀性(objective recklessness)基準が採用されたのです。これは、2つの要素からなり、被疑侵害者が「有効な特許を侵害している可能性が客観的に見て高」く、「侵害リスクを認識していたか、あまりにも自明であるため認識していたであろう」ことが必要とされます。この2つを満たすのはかなりハードルが高いため、故意侵害の立証は相当困難になったと言えます。また、特許法改正の際、鑑定書の未取得を持って故意侵害の認定をしてはならないことも成文化されています(298条)

§298. Advice of counsel

The failure of an infringer to obtain the advice of counsel with respect to any allegedly infringed patent, or the failure of the infringer to present such advice to the court or jury, may not be used to prove that the accused infringer willfully infringed the patent or that the infringer intended to induce infringement of the patent.

但し、先般の最高裁判決で、無効資料を準備して無効だと確信していただけでは故意侵害を免れないという判断が出ていますのでこの点は注意が必要です(Commil USA, LLC v. Cisco Systems, Inc. (Supreme Court 2015))。侵害と無効は別の話、というのが理由のようですが、実務的にはセットで考えます。そもそも無効なら侵害はあり得ない。広すぎるから文言上含まれてしまうだけというケースも多くあります。こうした場合には、無効だからすなわち非侵害と考えるのが素直だと思いますので、多少違和感があります。無効だと思うなら潰しておけということなのかもしれませんが、寝た子を起こすことにもつながりかねませんので、実際には難しいでしょう。

差止請求

昨年(2014年)には、日本でもアップル対サムスン事件の知財高裁判決で、標準必須特許では原則として差止請求権は認められない趣旨の判断がなされ、話題になりました。特許権の内容としては差止請求権は基本で、余程のことがないとその制限はないようなイメージがありますが、英米法の下では損害賠償と差止請求権は出自が異なり、後者は当然に認められる性質のものではないとされてきた歴史があります。

米国特許法283条に、差止めを認めるかどうかは裁判官の判断によることが定められています。とはいえ、2006年のeBay判決前までは、特許訴訟では特に制約なく原則的に差止が認められてきました。

§283. Injunction

The several courts having jurisdiction of cases under this title may grant injunctions in accordance with the principles of equity to prevent the violation of any right secured by patent, on such terms as the court deems reasonable. (July 19, 1952, ch. 950, 66 Stat. 812.)

それが、eBay判決において、特許訴訟といえどもその他の訴訟と変わりなく、エクイティ(衡平法)の原則が適用されることが確認され、以下の4要件を充たすべきとされました(eBay Inc. v. MercExchange, 547 US. 388 (2006))

  1. 原告が回復不能な損害を被ること ( it has suffered an irreparable injury)

  2. 損害を補償するのに金銭的賠償だけでは不十分であること ( it does not have adequate remedy at law)

  3. 原告と被告双方の不利益を比較衡量した場合、差止による救済が妥当であること (an equitable remedy is warranted after balancing the hardships between plaintiff and defendant)

  4. 終局的差止命令によって公益が損なわれないこと (a permanent injunction serves the public interest)

PAEは、事業会社ではなく、特許を実施していません。このような場合には、1の要件である「回復不能な損害」が発生せず、2の要件にある「金銭的賠償」で十分な救済が得られるとされます。このような判断で差止請求が却下されることが続いたため、いまではPAEの訴訟では差止請求自体がほとんど行われなくなっています。

PAEの訴訟目的は金銭を得ることなので、差止請求により被疑製品の市場での販売を止めたいわけではありません。しかし、そうなった場合の被告事業会社への影響は甚大です。このため、差止の恐れがあるということは、「金で片付く」損害賠償よりも被告にとって高いリスクとなり、原告が被告に対してかけるプレッシャーとしての威力は格段に高くなるのです。被疑侵害者サイドとしては、差止の心配をしなくて良くなったのは相当負荷が軽くなったと言えます。訴訟で差止命令が認められなくなって以降、PAEがITC (International Trade Commission(国際貿易委員会):独立行政機関で、米国内の産業の保護のために特許侵害品の差止権限を有する)を利用する頻度が高まったのはこれを裏付けています。

現在・今後の流れ

このように、従前は、差止を梃子にしつつ、故意侵害を言い立て、製品全体の価格を算定ベースに高額の損害賠償を請求する、という図式だったものが、PAE訴訟においてはどれも認められにくくなり、これらを背景に和解へ進ませて金銭を得るというビジネスモデルが成立しにくくなっていると言えると思います。被疑侵害者側にとっても、まともに争いたくても裏目に出たときのリスクが高すぎて踏み切れない、といったことは減ってきていると思います。

AIAの改訂審議を見ていたり、裁判所の動きを見ていたときには、そうそう変わるものだろうか?と半ば疑問視・半ば諦めていたのですが、色々積み重なると流れは変わるものだというのが現場での実感です。(まだ要素として2つだけ取り上げたところなので、この先取り上げる予定の項目も含めて、ということで、先走っていますが)

相手の立場で考える

思考の癖

訴訟の提起や警告状の送付などで権利行使を受けた場合、つい、自社のポジションを固めようと躍起になってしまいます。自社製品が権利範囲に含まれるかどうか(属否)を考えるときにも、自然に違いを探しますし、特許請求の範囲の文言も狭く解釈して自社有利にしがちです。自社の立場で仕事をする以上、とても自然なことなのですが、これは視野を狭め、相手の主張が不意打ちになる危険があります。

また、「正解」を求めたくなることもあります。解法がいくつかあっても、解は一つと思ってしまうというか。しかし、特許の権利解釈や属否解釈に正解はなく、幅のある解釈の中で当事者間が合意する、あるいは、第三者の決定を仰いで決定したものが採用されるに過ぎません。場合によっては、平行線のまま解釈は決着させずに事案の解決をはかることすらあります。このため、常に、幅をもっているということを頭に置き(場合によっては呪文のように唱え)、解釈を考えていく必要があります。

幅を考える

私自身が行っている手法としては、まずは自社の立場や自分の志向は脇に置き、対象の特許と被疑製品をニュートラルに前に置いたときにどう考えられるかを考えるところから始めます。この時点では、いわゆる当業者が用いるだろう技術常識自体も一旦脇に置きます。特許の請求の範囲に書かれている文言を日本語として素直に読んだときにどう読めるのかを考えます。

まずは、極端に特許権者有利な解釈をしたらどうなるか、ついで、極端に自社有利な解釈をしたらどうなるかを考えます。そのような解釈ができる根拠とともに。両者の間が解釈の幅になります。

次に、それぞれの解釈の強さを考えます。根拠がどれだけ強いか、反論がどれだけ可能か、反論の強さ(反論の根拠の強さ)がどのくらいか。この段階で、明細書に書かれていることや出願経過、技術常識を根拠の一つとして入れていきます。

すると、自社のポジションの強弱感が見えてきますので、それを前提に方針を組み立てます。

技術常識から自由になる難しさ

私にとっては、以上のやり方が自然でやりやすいと思っていたのですが、技術担当と話したところ、技術系のバックグラウンドがあると、どうやら自身の技術常識が邪魔をして、技術常識を脇に置いて文言だけで中立的に解釈するというのが相当難しいようです。そこで、無理やり権利行使側の立場に立って解釈するとどうなるかを必死に考えるところから始めるとか。

自社有利な解釈は自然に出てくる、ということですが、これも、もっと強気に行けばどうなるかと無理やり考えます。そうしないと、答えが最初から1つに絞られてしまい、交渉材料が乏しくなってしまいます。

これまで、技術系のバックグラウンドがないのが弱みと思ってきましたが、先入観なく中立的な解釈がしやすいという点では案外よいのかもしれません。ただ、当社の担当は経験は長いものの弁理士資格があるわけではなく、特許的な専門知識をベースに仕事をしているわけではないので、もしかすると体系的に特許的な教育をすると変わってくるのかもしれません。開発エンジニアからの異動してきた方などは、誰しも自分の無意識に身についている技術常識に囚われる傾向があり、そこから意識的に抜け出すのに苦労するようです。後知恵問題もここからきますね。

いずれにしても、そのような落とし穴に落ちやすいということが分かっているだけで大きく違いますので、無理やりでもなんでも、初動の段階では解釈を一本でなくできるだけ広い幅で持つようにすることが重要だと思います。

渉外担当のスキルとして

このように考えること、自分の思考の癖を承知していて、それを前提として、可能な限りそれに左右されないように考えることは、渉外担当として必須のスキルの一つと言えるかもしれません。

最近の米国PAE系訴訟の傾向(1) 陪審裁判と裁判地選択の影響

BLJ 連載の第2回(2015年1月号)は、「陪審裁判と陪審および裁判地選択が結果に与える影響」でした。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 01月号 [雑誌]

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2015年 01月号 [雑誌]

陪審裁判が及ぼす影響

米国では、憲法上の権利として、陪審審理を受ける権利が保障されています。特許侵害訴訟では、陪審審理は特許権者に有利と考えられているようで、PAEが提起する特許侵害訴訟では、例外なく陪審審理が請求されます。このため、被疑侵害者側としては、最終的には陪審を説得しなければならないことを念頭に事案を評価する必要があり、その前提で方針を立てます。

記事に挙げられている陪審裁判の特徴は、以下のようなものです。

  • 訴訟の対象となっている技術が難しいため、一般人には理解しにくい。

  • 事実に当てはめるためには特許法を理解する必要があるが、特許法自体が難しい。特に、最も問題となりやすい非自明性(日本の特許法の進歩性に相当)を短期間に理解して適用するのは相当困難。

  • 特許庁の審査を経ている特許は有効であると考える傾向がある

  • 個別の争点よりも、どちらの当事者が正しいかを判断する傾向がある

  • 分かりやすい説明に流れる傾向がある

  • 予測可能性が低い

陪審による事実認定の難しさ

陪審審理が請求されているといっても、陪審が行うのは事実認定のみと決まっています。一方、法律判断は裁判官が行います。

両者の境界は、明確でないところもあるようですが、現在のところ、侵害判断の基礎となる特許請求の範囲(クレーム)の解釈は、法律判断とされ、裁判官が行います。他方、解釈されたクレームに被疑侵害品が含まれるのかどうかは(属否の認定)事実の問題とされ、陪審が行います。

さらに、特許の有効性についても、その基礎となる事実認定は陪審が行うということになっているようで、大半が陪審に判断されているようです。なお、特許の有効性判断が陪審マターなのかについては、興味深い論文が紹介されていました。

patentlyo.com

属否を判断するためには、特許の技術内容と、被疑製品の技術内容の両者を理解する必要があります。技術者でない一般人から構成される陪審に技術内容を理解してもらうのはかなり難しく、陪審審理では双方代理人が説明に工夫を凝らします。分かりやすくするために、説明が極端になることもあります。どれほど工夫しても、例えば目に見えないものを理解してもらうのは相当困難です。

さらに、有効性の判断となると、争点となるのは通常非自明性です。これは、ざっくり言えば、対象特許の出願日よりも前に公開されていた技術に基づいて、通常の、その分野の技術者が思いつくかどうか、ということです。対象特許に加えて、先行技術(複数の場合が多い)の内容を理解し、その分野の通常の技術者がどんな理解度なのか(技術常識)を想定し、その上で、対象の発明に至るのが自明なのか困難なのかを判定する。専門家である特許庁の審査官や特許弁護士にとっても難しく、判断が割れる点なのです。それを短期間に素人が判断する(裁判官から説示はありますが)のは、非常に難しいのは当然です。

どのように認定が行われるのか

人間の通常の傾向として、難しいことを判断するように迫られると、相当と考えられる簡単な判断に置き換えて考えることが知られています(行動心理学。以下の書籍などを参照)。

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

陪審の場合でも、そのような判断になるのは無理からぬところでしょう。普段やらないようなことを要求されるので、自分でも気がつかずにそうなってしまうことはとてもありそうです。

実際のところ、陪審判断では、個別の争点(属否の構成要件のそれぞれの充足性や、先行技術と発明の認定、一致点や相違点、容易相当性など)よりも、どちらの当事者が正しいかという判断に置き換えて決定する傾向があると記事において指摘されています。また、分かりやすい説明に流れる傾向もあるそうです。

陪審審理を念頭に置いた訴訟方針

これらを総合すると、陪審審理で勝ちを取るには、相当分かりやすい事案であることが必須であると言えます。非侵害であれば、分かりやすい構造や構成(目に見えるものが望ましく、目に見えないなら、分かりやすく図解で説明できる、近い比喩ができるなど)で、その構成要件の一部が欠落していることが誰にでも納得できるレベル。無効であれば、そっくりの先行技術ができれば複数見つかる。細かい争点に入らなくても良い。

細かい争点で争うのは、専門家同士ではありですが、陪審判断では負け筋です。裁判官の判断でも、技術的な専門家とは言えないため、特に有効性の判断では技術的専門家である特許庁の無効審判制度( Inter Partes Review:IPR)が好まれるようになっていると言えるでしょう。

こうした陪審審理の被告不利な点は、陪審審理を受ける権利が憲法上保障されているということもあって、特段の手立ては打たれていないようです。但し、今の特許侵害訴訟における陪審審理のあり方が米国特許訴訟の歴史の中でずっとそうだったかというとそうでもないようで、特に有効性判断についてはもっと対象を狭くする道もあるのではという問題提起がされています(上記に引用したLamely教授の論文など)。その点を争う事案が最高裁に上がればあるいは、という感じですね。

それまでの間は、被疑侵害者としては、上記の陪審の傾向を頭において対応方針を立てていくことになります。これまでも行われていますが、できるだけクレーム解釈で有利に持ち込み、陪審裁判ではなく裁判官による略式判決(サマリージャッジメント)で非侵害判決を狙う。特許の有効性は裁判ではなくIPRで行うというのが王道になるでしょう。実際にもそのように進んでいる訴訟が多いと思います。特にAIAで導入されたIPRは、すごい勢いで請求が増えています。

裁判地の選択が及ぼす影響

PAEが好む裁判地

よく知られているように、PAEが好む裁判地は、テキサス東地区が1番、デラウェアが2番です。この2つに限らず、上位にランクインする裁判地は、原告に有利な判決が出やすく、陪審審理(トライアル)に行きやすく、さらに、トライアルまでの期間が短い(手続の進行が速い)として知られています。

記事中に、2013年の裁判地ランキングが掲載されていますが、テキサス東とデラウェアが突出しています。この2つは、日常的に提訴情報を見ていてもすぐに分かるくらい多いのです。

移送の申立 (motion to transfer)

最近の傾向として、PAEは、移送の申し立てに抵抗するためか、テキサス州でLLCを設立していることが増えています。

被告の方は、テキサス州に本社がある企業はあまり多くない(被告になることが多い有名企業ではDellの本社がテキサス州にあります)ので、被告とされた場合にまず考えるのは、できるだけ被告に有利な判決が出そうな裁判地へ移送を申し立てることです。

そして、IT系の企業は、本社がカリフォルニア州にあることが多く、また、カリフォルニア州北地区などは、比較的被告有利とされていますので、ここへの移送申立がよく行われます。

移送を認めるか認めないかは、裁判官の裁量が大きく、以前は、特にテキサス東地区は移送を認めないことで有名でした。移送申立はしてみるものの、ほとんど駄目元という感じが強かった印象があります。却下された件がとても多かった。記事でも言及されているTS Tech事件の後、ようやく、テキサス東でも徐々に認められるケースが増えてきています。

AIA施行による被告の制限の影響

AIA前は、数十社がまとめて被告として訴えられることが珍しくありませんでした。同じ特許の侵害であればまとめてOKだったのです。

その関係で、被告に色々な企業が入っていると、移送する理由が付けづらいということもあったように思います。数十社の全てが同じ地域に本社を持っているわけではありませんから。

AIAの成立後、特に関係のない企業をまとめて1つの訴訟の被告とすることができなくなりました。1つの企業グループで1訴訟です。これによって、PAE側の手間が増えるため、訴訟を起こされる被告の数が減ることが期待されていましたが、米国の訴状は大変簡素でかつ訴訟の提起にかかる手数料が安いため、単純にコピーペーストで訴状を量産して被告数分の訴訟を提起するようになっただけと言われています。(このため、訴状のコピペミスによる間違いも珍しくありません)。体感的には、多少減ったように思いますが、いずれにしてもそれほど劇的な効果はありませんでした。

移送申立の観点で言えば、被告企業数が減った(というか、自社だけになった)ことで、申立の理由が明確になり、申立はしやすくなったと言えます。このため、AIA後には劇的に移送申立の数が増えるかと思っていたのですが、予想に反してさほどでもありませんでした。

一方で、PAEは、コピペした訴状により同日または数日間で複数の被告を同じ特許の侵害で訴えていますので、審理の便宜のため、裁判所の裁量でTrial前までの手続は併合されることが通常になっています。また、AIA前には、共同被告間で共同防衛のためのグループ(Joint Defense Group)が結成されるのが通常でしたが、AIA後も、同じ特許で訴えられた被告間で同様にグループが結成されることが多いようです。このグループの中で、無効資料調査を分担し、主張を組み立て、IPRの申立を検討し、また、クレーム解釈を検討して行きます。

移送されるケースの増加

AIA施行後に移送申立がそれほど劇的に増えなかったのは、このような審理の併合や共同防衛グループ結成の事情も関係しているのでは、と思っていたのですが、最近になって、申立が行われて、また、それが認められるケースが増えている印象です。以前と異なり、個別に事情がある企業のみが移送を申立、認められて行きますので、手続の併合が一部に止まったりしています。共同防衛グループには移送後もとどまることもありますし、裁判地ごとにグループを結成することもあるようです。

裁判地が異なると、手続の進行にも差が出ますし、クレームの解釈にも差が出てくる可能性があります。まだ、そのようなケースはあまり出てきていないようですが、今後は、複数の裁判所での結果を見てCAFCへ上訴することも行われていくのだろうと思います。

なお、現在特許侵害訴訟の対抗策として申し立てられるIPRの数の多さを見ると、複数の裁判所で手続が進行する前に特許庁でIPRの手続が開始されて裁判手続が停止される可能性も高いです。

今後の流れ

いずれにしても、以前に比べて裁判地の選択は被告にとって柔軟になってきていると感じられます。今後、特定の原告有利な裁判地にスタックしてしまい、不利な結果予想を念頭に不本意な和解をせざるを得ないといったことは減少していくと思います。

最近の米国PAE系訴訟の傾向

PAEのビジネスモデル

PAEのビジネスモデルは、使えそうな特許を調達し、関係しそうな事業者に広くばらまいて権利行使(警告する・提訴する)、金銭(過去の損害賠償+将来ライセンスの対価・和解金)を得る、というものです。

PAEはほぼ米国に特有のものです。なぜ米国でだけこのようなビジネスモデルが成立するかといえば、低額で訴えることができる(手数料が日本のように訴額に比例しない)、訴え提起の段階では詳細に主張内容を明らかにしなくてよい(概略で構わない)、証拠はディスカバリー(証拠開示手続)を通じて相手から入手する、陪審裁判を受ける権利が保障されている、という米国特有の訴訟の仕組みが背景にあります。

そして、この仕組みを前提に、特にディスカバリーにかかる弁護士費用が高額になるため、訴訟遂行には他国よりもコストがかかります。

また、敗訴者負担は制度としてはあるものの、非常に例外的な場合に限られてきたことから、正当性の怪しい訴訟についてもそれを正そうと手続を遂行すること自体に費用がかかり、正しさが認められても費用が回収できない場合が大半であるため、企業行動として合理性に疑問が生じることもあります。

PAE抑制への動き

このような米国特有の事情が、その他の国ではほとんど問題になっていないPAEの先鋭化を招き、それが社会問題化して、立法も司法も問題視して抑制する方向に動いたというのがここ数年の動きです。

PAEは、法の不備を突いたというか、最大限利用して、自らは大してコストをかけずに、事業者に大きな負荷をかけることをテコにしてお金を集めることをビジネスにしていると言えます。このため、全体としてみれば問題ではあるものの、1つ1つの行為自体は法が予定した手続を使っているに過ぎません。

このため、こうしたPAEの行為を抑制しようとすれば、少なくとも、特許侵害訴訟に関して仕組みを変える必要があり、それは、どうしても全体として特許権を弱める方向に働きます。かつて米国は、経済を盛り返すためにプロ・パテントに舵を切っていましたが、この揺り戻しであると言えます。

BLJの連載記事|米国弁護士 一色太郎氏

上記のような傾向について、米国特許制度の課題とその対応策という観点から整理されているのがBusiness Law Journal (BLJ)の一色太郎氏の連載です(「米国における特許権制限の動きが及ぼす影響―特許権価値の低下とパテント・トロールの衰退」(2014年12月号~2015年7月号))。とても分かりやすく、また、一次情報もふんだんに引用されて自分で当たれるように書かれているので、実務担当者としては必読です。

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 12月号 [雑誌]

BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2014年 12月号 [雑誌]

一色氏は、連載の第1回で、以下のように述べられています。

本連載では米国特許制度に関する課題を6つに整理し、課題ごとに、05年以降、議会及び裁判所がとってきた対策について解説する。それを通して米国でのプロパテント期が終焉を迎え、今後パテント・トロールによる活動が衰退していくであろうことを示すとともに、米国特許権価値の低下が企業の知財戦略に与える影響について考察する。

この文章を連載当時に読んだときには、「え、本当に?そこまで?」と思ったのですが、そろそろ米国特許法改正(AIA:America Invents Act)が成立してから3年近く経ち、現場にいる者にも体感できる程度に傾向が変化してきていると感じます。

連載終了から間が開いてしまいましたが、取り上げられた観点の幾つかについて、現在現場で感じていることを今後何回かの記事に分けて記しておこうと思います。

なお、連載で取り上げられた6つの課題は以下の通りです。

  1. 陪審および裁判地選択が結果に与える影響

  2. 高い賠償及び差止リスク

  3. 膨大な訴訟コスト

  4. 低質特許の増加

  5. 特許無効化手続の不備

  6. 低い権利行使コストとリスク

電話会議での交渉

面談交渉のバリエーションとして、電話会議で交渉を行うことがあります。遠方の相手方、特に海外の相手方からは、メールのやり取りに加えて電話会議で説明します、と申し出られることが多いように思います。TV会議もオプションになりますが、これは設備面で自社が対応できるかどうかに左右されます。電話会議なら、電話会議システムがなくても、電話機だけでなんとかなります。

電話会議のメリット

文字でのやり取り(手紙やメール)と比べてのメリット、直接面談交渉することに比べてのメリットがあります。

電話会議は、面談には及ばないものの、文字だけでのやり取りよりは、ニュアンスが伝わりやすく、口頭であることから、背景事情やあまり文字には残したくないような付属情報なども得られることが多くあります。メールを重ねて意図がうまく伝わらず、隔靴掻痒感が積み上げられてきたケースが電話会議で一気に進捗するということもよくあります。

電話会議の場合は、面談と異なり、自社で行うことができます。移動時間が不要ですし、面談に比べてスケジュールを合わせやすい。相手が海外の場合には、時差を考慮する必要がありますが、電話会議であれば、退社後に自宅から参加することも選択肢に入れることができそうです。

多拠点間の電話会議システムを使えば、普段複数拠点で仕事をしている相手とも一度に会議を行うことができます。海外相手だとこのパターンは多く、参加者が個別に会議システムにログインしてくることも多いように思います。自席から音声通話が可能な環境であることも大きいのかもしれません。

逆に、会議室に集合して電話会議をしている場合には、相手に聞かせたくない打ち合わせをする場合にミュート機能を使うことができます。面談の場合にこれをやろうと思うと場所を別に用意してもらったり、相手に会議室を出て行ってもらったりする必要がありますが、電話の場合は簡単に実現できます。これをやりたいために、自社側は拠点が離れていても同じ場所に集合して臨むという手法もあると思います。

電話会議のデメリット

面談と異なり、相手の表情やボディランゲージを読み取ることはできません。相手の反応を見たいときには面談の方が優れています。

TV会議よりは少ないですが、繋がらない、ハウリングする、などのシステムトラブルの可能性があります。システムがうまく動くのが大前提なので、うまく動かないとダメージが大きくなります。機器の準備は入念に、重要な局面では練習しても良いかもしれません。

交渉で用いる資料については、面談に比べて工夫が要ります。事前に当日の議題と資料を送付しておくのが前提です。可能であれば、画面共有を使うのが有効です。画面共有のシステムが電話会議のシステムに付属している場合もあります。但し、画面共有は、特に初めて使う場合にはシステムトラブルの可能性を見込んでおいたほうが良いでしょう。うまく動かないときのために、バックアップで資料は送っておくのが必須です。

ホワイトボードにその場で書いて理解を深める、というのも画面共有でなんとか代替できるかもしれませんが、全く同じとはいかないでしょう。

海外の相手と電話会議で英語でその場で交渉するのは、面談よりもさらにハードルが上がります。アジェンダを事前に送付しておく、話の流れを想定して聞き取りをスムーズに、聞き取れなかったら何度でも聞き返す、自分の発言も繰り返す、といった工夫が必要です。

どんな局面が電話会議に向いているか

上記のメリット・デメリットを考えると、電話会議で一番やりやすく、効果があるのは、(補足)説明だろうと思います。すでに資料が渡されており、一通りの説明はそこに書かれているけれど、周辺情報や背景事情を補って理解を深めてもらう類の説明です。技術説明であっても、説明に使う資料が十分用意されていれば、電話会議で問題なく行うことができます。

一方、条件の提案など、センシティブな局面では、できれば面談で行いたいところです。初めての条件提示、思い切った条件の変更などの場合は、その場で相手の反応を見たいと思います。一方、条件交渉が進んできて、既に何度も行っているのであれば、互いに相手の反応が想像できるようになってきますので、電話会議で問題ありません。

海外の相手で、面談が難しい場合には、条件提示であってもメールで先出しして補足説明を電話で行う、電話で条件を話してその場で補足し、あとから文書を送ることがあります。メールだけで行うよりも印象を和らげる効果はありますし、補足説明で納得性を上げることもできますので、活用するとよいでしょう。

画面共有と電話会議の組み合わせは、その場で確認も取りやすく、質疑応答もやりやすいため、効率よく進めることができる会議形態だと思います。普及が進むと互いに慣れてきてトラブルも減るでしょうから、うまく利用していきたいですね。

交渉のテーブル

「交渉のテーブルにつく」とは、相対する両者の間で交渉が始まることを意味しますが、今回は、比喩的な意味ではなくて、文字通り、相対交渉の場での物理的なテーブル(机)などの配置の話です。

応接室より会議室

特許関係の交渉では、手元に用意する資料が多くあります。メモもしっかり取りたい。互いにプロジェクタを使って説明をすることもあります。その場に持ち込んだ資料だけでは足らなくて、パソコンやその向こうにある社内のファイルサーバにアクセスすることもあります。今後の日程を決めるために、社内のスケジュール管理システムや会議室予約システムにアクセスもできた方がよいでしょう。

これらを考えると、ローテーブルにソファという応接室は特許の交渉には不向きで、書き物ができ、PCが操作できる机が置かれた会議室が適切でしょう。訪問先で通された先が応接室だったり、会議室の空きの関係でこちらも応接室を使わざるを得なかった経験が何度かありますが、やりにくくて苦労しました。応接室は、特にメモも資料も要らない、親交を深める会話や挨拶では問題ありませんが(といっても、深く腰掛けるタイプのソファは小柄な女性には向きませんが)、その他の用途には不向きですね。

離れた会議机・大きなテーブル

プロジェクタが常設されているタイプの会議室では、会議机をロの字形に配置し、上辺にプロジェクタが置かれていることが多いようです。訪問される側がプロジェクタ利用を希望されることが多いので、こうしたタイプの会議室を用意する頻度が高いのではと思います。ロの字の左右に向かい合って両者が座ることになりますので、一定の距離があります。

法律事務所などの会議室には、大きな楕円形・長方形の天板のあるテーブルが用意されているのがよく見られます。向かい合わせに座ったときに、ロの字形配置の会議室と似たような距離感になることが多いと思います。

いずれも、大声を張り上げる必要まではないけれども、手元の資料やメモ書きが向かい側からは見えない程度の距離が確保されます。声を潜めれば、向かい側に聞こえないように内輪の話をすることもある程度可能です。

小テーブルの小会議室

上記したロの字配置の会議室は、比較的収容人数が多い(10人以上)、中会議室以上の場合が多いようです。6人〜8人定員の小会議室には、スペースの関係か、テーブルも小さいものが置かれています。小さいテーブルでは、向かい合わせに座っても、相手との距離が近く、資料を置くと向かいに座った人の資料とぶつかりそうになったりします。隣との距離も余裕がなく、広くスペースを使うには適していません。

こうした会議室でのミーティングは、相手との距離が近いため、議論が活発になります。社内や提携先との間で意見を交換する場合には効果が高いでしょう。

しかし、攻撃側・防御側に立って交渉している場合には、距離が近すぎてやりにくく感じます。メモの内容が相手から見えそうで気を使いますし、相手に見せたくない資料を広げて置いておくのもヒヤヒヤします。隣席の同僚と内緒話をしようにも、声を潜めても聞こえてしまいますから、ノートか画面を使って筆談になります。相手の顔がすぐそこにあると、厳しい発言をするのに躊躇いが生じることもあります。

このように、心理的距離が交渉内容に直接影響する可能性もありますし、なにより交渉内容以外のことに気を使うのは認知資源の無駄遣いです。もとより集中力を要する(=疲れる)交渉なのですから、目的外に認知資源を使わずにあまりおきましょう。小さな会議室の小さなテーブルを囲んで厳しい交渉をするのは避けたほうが賢明です。

このような場合を考慮しているのか、法律事務所では、小会議室でも大きめのテーブルが設置されていることが多いように思います。企業の場合、交渉に使うより距離感近い相手との打ち合わせに使うことの方が多いでしょうし、なによりスペースはコストに直結しますから、小さな会議室には収容人数がギリギリ座れる程度のテーブルにしておくことが多いように思います。

交渉に適したテーブルを面談場所に設定する

ということで、自社に交渉相手を迎えて面談交渉する場合には、総人数が少ないとしても、交渉に快適なテーブルの大きさを確保することを優先して、大きめの会議室を押さえたほうがよさそうです。

逆に、交渉が妥結して両者握手という段階では、心的距離を縮める効果を狙って小さめの会議室を使ってもよいかもしれません。

強弱感をスコアリングする

特許侵害訴訟・警告を受けた場合、初動段階でだいたいの類型化を行い、どんな「スジ」のケースなのかの見通しを立てます。

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すると、これはどのくらいの勝率なのか?と聞かれることがあります。数値で答えるのは非常に難しくて勘弁してほしいと思う一方で、なんらかの強弱感(どの程度強気に出られるのか)は持っているのが通常です。この強弱感(ポジション判断と呼んでいます。)を元に、解決にかけられるリソースやコストを考えていきます。

勝訴・敗訴の決定要因となるのは侵害判断と特許無効判断ですが、これらは、明らかに侵害⇔非侵害、明らかに無効⇔有効の間に広大なグレーゾーンが広がり、解釈の余地が大きいため、定性的な評価になりがちです。

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定性的評価のままでは、案件間の比較がしにくく、対応方針を決める基準も立てにくいため、侵害と判断される確度、特許の有効性の確度、としてそれぞれスコアリングを行います。スコアリングすることで、両者の掛け算を行うと、数値が高い方がよりリスクが高い、という程度のことは言えるようになります。順序を逆にして勝てる可能性を数値の大きさで示したり、さらにその最大値を100にすることも可能ですが、勝率に直結して考えられるのも困りますので、あえて行いません。

ここでは、それぞれ5段階で評定します。スコアリングの基準は以下のようなものですが、これが絶対と言うほどではなく、おおよその目安程度に考えています。案件ごとに判断がぶれないように注意します。

侵害とされ得る確度の5段階

5 文言上も技術上も完全に範囲内

4 文言上(広いため)は範囲内に入る

3 属さない主張は可能だが、どちらに転ぶかはわからない

2 構成要件が欠落しているが、一見して分かりにくい

1 構成要件の欠落が一見して理解できる

特許の有効性の確度の5段階

5 非常に早いので無効にするのは無理

4  ピンポイント過ぎて無効資料が見つかりそうにない

3  やってみないとわからない

2  無効主張のための個々のパーツはおそらく揃うが、組合わせた場合の主張が弱いかも

1  無効審判・IPRが組める程度に資料が揃い、主張が組める

 

以下、侵害とされ得る確度、特許の有効性の確度のそれぞれのスコアについて、概略を説明していきます。

侵害とされ得る確度

ここでは、権利範囲(特許請求の範囲)に技術的に属するかどうかで判断していきます。

判断手法の基本は、特許請求の範囲を要素に分解し(分解したものは、構成要件と呼ばれます)、それぞれの構成要件に該当するものが被疑製品に存在するかどうかを確認します。全てが該当する場合に、その被疑製品は対象特許の権利範囲に属します。1つでも非該当の構成要件があれば、属しません。

5 文言上も技術上も権利範囲に入る

技術思想として発明を捉えるというエントリを書きましたが、そのようにして捉えた発明の特徴から考えても、かつ、権利範囲に書かれた文言上からしても、被疑製品の構成がズバリ範囲に入ってしまうものです。

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その分野の基本技術であって、権利の範囲が広い場合には、どうしようもなく、反論も、回避も難しいということもあり得ます。技術標準規格の必須特許認定を受けているもので、規格準拠のために実施が義務付けられている事項に関するものも、ここに入ってきます。

なお、標準必須特許(Standard Essential Patent : SEP)については、各標準化団体がIPRポリシーを出しており、その定義に従いますが、多くの場合、標準には実施が義務付けられている事項とオプショナルな事項とがあり、多くの場合、どちらを実施するにしても必須特許とされるので、要注意です。

パテントプール団体からのライセンスオファーもここに入ってきます。個別に争う余地がないわけではありませんが、相当労力がかかります。

一方で、技術がある程度発展してきた後で、妙に広い範囲で権利が成立してしまった特許の場合もあるので要注意です。審査の過程で見過ごされていたり、そもそも無審査の実用新案などではあり得ます。この場合には、無効の確度が高くなるはずなので、そちらで主張するのがメインになってきます。

4 技術思想としては異なるが、文言上は権利範囲に入る

文言が、とても広い形で書かれており、明確な定義や限定がなされていないまま成立している特許があります。明細書を読んでみると、技術分野が異なっていて、技術思想として発明を捉えると、被疑製品とどこが関係しているのかさっぱり分からないというものもあります。

構成要素の数自体が少ないこともありますし、数が多くてもあたりまえの構成ばかりが連ねてあり、ポイントになるところは非常に少なく て広いこともあります。

IT系、ソフトウェア系にはありがちでなのですが、どうとでも取れるものすごく広い用語を多用して特許請求の範囲が表現されていることもあります。

テクニカルタームが確定していないの で仕方がない面もあるのですが、発明時の背景事情や技術的前提を全部とっぱらって純粋にその文言だけを見てみると、それは発明の特徴では既になく、その分野では至極あたりまえの構成ではないで しょうか。というものになっていたりします。

このようなタイプは、出願経過やその当時の技術常識を示す資料を提示して、文言をその発明の文脈に沿った解釈に合意させる必要があります。また、そこまで広く解釈すると、たいていの場合は無効資料が存在するはずなので、併せて主張していくことになります。

解釈が適切なところに落ち着き、無効主張が認められてくれば良いのですが、それまでは特許は有効で、文言上は権利範囲に入ってしまうため、特に初動段階では苦労します。

3 属さない主張は可能だが、どちらに転ぶかはわからない(構成要件の対応づけが弱い)

特許請求の範囲を構成要件に分解し、個別の構成要件について充足しているかどうかを◯×△でつけてみると、◯が並び、所々△になるイメージです。

なぜ△になるかと言えば、その要件の機能は概ね実現されているが、特許請求の範囲の文言で規定されているような形態ではないことがあるため、判断者によって属否の判断にぶれが出るからです。

例えば、技術の進歩によって発明当時の技術的な制約とか前提が現在では該当しなくなっている ケース。典型的には当時ハードウェアだったものが今ではソフトウェアになっているもの。半導体の集積化が進んで回路が複数で構成されていたのが1つ のチップの中に全部入ってしまい、複数の要素がどれがどっちでという対応付けが困難なもの。発明者は発明当時に想定していなかったのでしょうが、技術の発展の中で当然にそうなってきている。これは、権利の範囲に含まれるべきなのか?一律にYesともNoとも言えず、ケースバイケースになるでしょう。

発明の技術分野とは異なるけれど、機能としては同等、という場合もあります。機能をどの程度抽象化して理解するかで充足・非充足の判断が違ってきます。

目的や課題は異なるけれども、構成(解決手段)が同じというタイプもあります。違うところから出発して同じゴールに到着してしまうということで、発明の詳細な説明を読むと、発明者が想定していたこと、文脈はまるで異なります。しかし、解決原理を突き詰めていくと、別の目的にも利用できる。分野が違うのが通常なので、その分野の通常の開発者(いわゆる当業者)がそこに辿り着けるのかという問題に行き着くのかもしれません。

このようなタイプは、技術思想としては異なるため、権利範囲に属すると考えるのに抵抗があります。関係者に説明しても、発明の特徴と異なるため、納得感が薄いのです。とはいえ、文言が広いというものでもなく、特許請求の範囲の書き方が上手いというだけの話でもないのです。光の当て方が違うとでも言いましょうか。

技術思想としての発明の適切な範囲に収まるように、明細書の記載を使って限定解釈するべきと主張はしていきますが、そこまで限定する意義が見出せないと判断されることも多いように思います。

このため、このタイプは、非侵害の主張としてはあまり強くない、という判断になります。

2 構成要件が欠落しているが、一見して分かりにくい

上述のように、特許請求の範囲を構成要件に分解して個別に充足・非充足を見てみると、×がつくところがあります。が、そのような構成要件になってしまっているのは、発明当時の技術的制約のためであるとも言えます。個別の構成要件の重みには軽重があるため、軽い構成要件に×がつくといってもあまり通りにくいということもあります。

機能(処理のステップ)を構成要件として規定しているタイプでは、処理の手法が異なるため、被疑製品側にぴったり当てはまるものが存在しないことがあります。

こうした場合、構成要件を充足するものは確かに欠落しているのですが、一つ前と一つ後の要素が充足していることで、当然その間の要素も充足していると見られる場合があります。

例えば、インプット とアウトプットが共通していて、その間の処理を行うものが構成要素なのだが、ぴったり当て嵌まるものが特定できないため、インプットとアウトプットがある のだから当然その中間のものは存在すると括るような主張があります。

構成要件が欠落しているのだから、権利範囲には入らない、と言いたいところですが、裁判所(あるいは陪審)で明確にそう認めてくれるかというと、自信が持てない、といった感触になります。

1 構成要件の欠落が一見して理解できる=誰が見ても明らかに非侵害

上述したように、特許という仕組みの大前提として、その権利範囲に入るかどうかは、権利範囲を構成するすべての要素を満たしているか否かで決まります。1つの要素でも欠落していれば、権利範囲には入りません。

従って、侵害を主張してくるのであれば、当然ひととおりの構成要件を満たしている形は作ってくるのが最低限のように思いますが、そうとばかりは言えず、どう好意的に見ても一部の欠落があきらかというケースは存在します。

また、構成要件が処理のステップの場合、詳細に解析しないと被疑製品の処理内容が不明なため、外見で同様の作用効果が出ているように見えればひとまず侵害を主張して、異なる場合は被疑侵害者側に反論させればよい、というスタンスで来られる場合もあります。

特許の有効性(堅牢性)の確度

特許が成立しているということは、既に特許庁で審査が行われた結果、有効とされているわけです。ですから、有効性の確度というよりも、その有効性をどれだけ揺さぶることができるのかという意味で堅牢性とでも言えましょうか。

対象特許が無効と判断されるには、(1)その特許をつぶすための資料(無効資料といいます)=対象特許の出願日以前に公開されている文献(公知文献)や、出願日以前に既に製品化されるなどして公に実施されていたことを示す資料(公用資料)がどれだけ入手でき、かつ、(2)見つかった無効資料を使ってどれだけ説得的な主張が組めるかどうかにかかっています。なお、特許が無効となる理由は他にもありますが、この段階では新規性や進歩性の観点からしか判断しません。

従って、有効性の角度は、資料の入手の観点から決まる段階と、資料が入手できた後の主張の強弱の観点から決まる段階とに分けられます。スコアの5〜3は、入手の困難性の観点であり、2と1は、主張の強弱の観点です。

(1)無効資料の見つかりやすさ

対象特許が、技術の発展経緯のどの段階に位置付けられるのかでおおよそ見当がつきます。「技術思想として発明を捉える」のエントリにて、その技術分野の発展経緯の中で対象特許がどの段階に位置付けられるのかを書きました。特許の有効性についての確度判断には、このような位置づけの把握が不可欠になります。

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(2) 主張の強弱|どれだけ説得的な主張が組めるか

対象特許と一致点の存在する先行技術に当たったら、一致点と相違点を明らかにして、ピックアップします。すべての要素が一致点になれば、その文献1つで新規性がない主張ができますが、多くの文献は、複数の一致点はあるが、相違点も複数あるものです。

全ての構成要件が、何かしらの先行技術で埋められる状態を、「個々のパーツが揃った状態」と呼んでいます。対象特許によっては、どうやってもパーツ自体が揃わないものもあります。

次に、一致点の数が多い文献から並べてみて、最も対象特許に近い文献(主引例と呼びます)を選定し、さらに、相違点を埋める副引例をピックアップします。

相違点の数が多いほど、そして、それを埋めるために使う副引例の数が増えるほど、組合せは困難になってきます。

2つまでの副引例に抑えたいところですが、いくつかの候補が見つかっている場合が多いのですが、組合せの容易さを基準に評価するとそれぞれ長短があります。メインの副引例で大体埋めておき、些細な残りの構成要件がをサブの副引例でさらっと埋めるくらいにできれば、割と主張としては行けそうです。

5  非常に早いので無効にするのは無理

その技術分野の発展経緯の中で相当初期になされた発明に該当する場合です。出願日の近辺に同系統の文献は散見されるものの、同時期に研究がなされていたことが分かるだけで、無効資料となるほど早い日付をもった文献は存在しないケースです。パイオニア発明に当たるタイプともいえましょうか。

このような発明では、特許の出願日から数カ月以内に関連する文献が集中していることが往々にしてあります。同時期に同じような研究が行われるという技術研究開発の性質がよく出ていますが、無効資料を収集する観点ではあまりありがたくありません。

こうなると、発明としては確かに早いので、無効で戦うのはほぼ無理という結論になります。

4  ピンポイント過ぎて無効資料が見つかりそうにない

技術の発展経緯の中では中期・後期の発明にありがちですが、限定が非常にピンポイントになされて成立している特許があります。発明の詳細な説明に書かれている実施例に限定されていると思われるような場合も多いです。こうした場合、権利範囲は狭くなり、回避も容易なことが多いのですが、実は、事実上なんらかの要因で、普通に実装するとそのようになってしまうということがあり、回避困難という場合もあるのです。

こうしたケースでは、限定がピンポイントであるだけに、解釈で権利範囲から外れると主張するのは難しい。そこで、無効主張ができないかを検討しますが、今度は、ピンポイント過ぎて、そのような記載がなされている文献が見当たらないことが多いです。記載自体をキーワードに入れて探しても、そのままの文言ではなかなかヒットしません。かといって、それを概念化して探すのも難しい。常識的な記載の場合もあるのですが、技術常識すぎてそのままの形で記載が見当たらないという場合もあります。特許文献よりも、その分野の雑誌や論文などの非特許文献を当たって相当する記載がないか探すことが多いですが、直接的な記載がなく、読み取れると言えば読み取れるけれど、反論されると弱い程度の記載しかみつからないことが多いように思います。

このようなケースは、案外特許として強力です。回避も難しく、無効資料も見つかりにくい。狙ってこのような権利を取るのは難しいのですが、当たると痛いパターンですね。

3  やってみないとわからない

技術の発展経緯を調べていくと、結果的に簡易な無効資料調査をしていることになりますが、その段階であまり近いものが見つからず、本格的に調査をする必要があるケースです。

これまでの経験では、簡易調査の段階である程度近いものが見つかっておらず、本格的に探していい無効資料が見つかるということは稀です。ワールドワイドの非特許文献を含むサーチなど、普段自分でやらない範囲を指定してやってみて見つかることに期待する、分類が異なるところから発見されることに期待することになります。

近い文献は、対象特許と異なる特許分類が付与されていることが案外多いのです。

また、対象特許が米国特許の場合、審査では日本語や中国語の文献はサーチされていないことが大半なので、これらを中心に探すと見つかることもあります。

いずれにしても、時間とコストをある程度かけることが前提で、かつ、やってみないと結果の保証が全くないという意味で、この段階では中立的な評価となります。

2  無効主張のための個々のパーツはおそらく揃うが、組合わせた場合の主張が弱いかも

簡易調査の段階で、一致点のある文献がいくつか見つかっている場合です。対象特許が掲げている課題は珍しいものではなく、同種の課題を持って解決を志向した先行事例が同じ分野の中に複数ありそうです。

このような状況なら、個々のパーツを揃えるのはさほど難しくはないでしょう。

ただ、既に見つかっている資料の中で、相違点が1~2しかないような「主引例」に相応しいものが選定できない場合があります。複数の資料があるけれども、どれも、一致点と相違点の数が拮抗していたりします。

主引例と対象特許の間に相違点が3つ以上あり、それを埋めるために3つ以上の資料が必要ということになると、組合せが容易とは言いにくくなってきます。

主引例との相違点は1つ2つで、副引例1つでその全てが埋められそうに見えるけれど、組み合わせること自体が自然かについて主張が弱い場合もあります。分野が遠いとか、課題が逆向きだったりして、組合せを思いつかないような事情(阻害要因と言います)がある等です。

1  無効審判・IPRが組める程度に資料が揃い、主張が組める

簡易調査の段階で、主引例に相応しい、一致点の多い資料が見つかっており、相違点についても複数の資料で埋められそうな場合です。

組合せの困難性についても、分野が共通し、課題も近いなど、特に阻害要因も見当たらない。

あまり気になるところがなく、これなら自信を持って無効審判やIPRに行けそうだという感触を持てるものというタイプです。